家系学
家系学からみる自尊感情の喪失
㈶日本児童教育振興財団内 日本青少年研究所調査 2011年2月発表
公式サイトhttp://www1.odn.ne.jp/youth-study/より
⑧ 自己評価
米国と中国の高校生は自己肯定感(自尊感情)が強く、日本高校生の自己評価が最
も低い(以下の数値は「全くそうだ」の比率)。
「私は価値のある人間だと思う」:日本7.5%、米国57.2%、中国42.2%、韓国20.2%。
「自分を肯定的に評価するほう」:日本6.2%、米国41.2%、中国38.0%、韓国18.9%。
「私は自分に満足している」:日本3.9%、米国41.6%、中国21.9%、韓国14.9%。
「自分が優秀だと思う」:日本4.3%、米国58.3%、中国25.7%、韓国10.3%。
家系学の基本的な概念である家族システムズ論を体系化したボーエンは、他の家族システムズ論と区別するために、ボーエン理論と称しています。
世にある殆どの家系学の教科書ともいえるのが、このボーエンの弟子のカーが著した『家族評価』です。この中にも触れていますが、一個人として自律出来ているか否かを表すために、最近、遺伝学でも話題になった『分化』という概念を用いています。
家庭環境において、『成長期に分化したのか、未分化なのか?』と表現しています。
この分化の尺度の一つに今回とりあげた、『自尊感情』といものがあります。
簡単に云えば、生まれてきて良かった、生きていて良かったという感情です。
それは何から生じるのかといえば、成長期に両親から愛されてきた実感です。
この様に考察すると一つ疑問が生じます。
それは、米国における自尊感情の自己評価の高さです。
何故なのか?このことは宗教に関係してきます。親を超越して神様から愛されている、神様によって生まれた命であるという教育がされているためです。
家系学では、命の尊さを親や先祖を知ることで本質的に理解することが可能と考えています。
日本では、霊感商法や仏教的因縁話故に先祖を調べたり調査することを、胡散臭く感じたり怖く思う方も多い様です。
実は、自分のルーツを知ることで、心の底から力が湧いてきます。
自尊感情を高める根本的力にも成り得るものです。
先祖を敬い供養するという日本の良き伝統と文化が失われつつある昨今です。
このことは、自尊感情の低下の遠因であることを家系学では、はっきりと問題提起しています。
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家系学にみる少年非行と家庭の役割
画像は内閣府HPよりhttp://www8.cao.go.jp/survey/h22/h22-shounenhikou/zh/z07.html
内閣府2011年1月29日に公表した「少年非行に関する世論調査」上記調査
少年非行につながる社会環境として何が問題かを複数回答で尋ねたところ、
➀「携帯電話やインターネットの普及で簡単に見知らぬ人と出会える」(63.4%)
②「簡単に暴力や性、自殺に関する情報を手に入れられる」(47.3%)
また同調査『少年非行の防止と立ち直りの支援』http://www8.cao.go.jp/survey/h22/h22-shounenhikou/2-4.htmlより
少年非行防止の役割
➀「家庭」76.4%
②「地域社会」12.9%
③「警察などの行政機関」5.2%
④「学校」3.7%
性別に見ると,「家庭」と答えた者の割合は女性で高くなっている。
年齢別に見ると,「家庭」と答えた者の割合は50歳代で高くなっている。
家庭での対応
少年を非行に走らせないようにするために,それぞれの家庭で,保護者はどのように対応すればよいか
➀「子どもと話をしたり接する時間を増やす」67.1%
②「褒めるべきことはきちんと褒め,叱るべきことはきちんと叱る」65.9%
③「子どもの気持ちや言い分を聞く」(46.7%),
④「子育てに責任感を持つなど親としての自覚を持つ」(44.0%)
⑤「家族が協力して子育てを行う」(40.8%)
(複数回答,上位5項目)
以上が内閣府調査のまとめです。
社会環境がどの様に変化したとしても、結局、子供の教育に重要なのは家庭環境であることを感じているし、当事者は実感しているようです。
では、家系学的に考察して、その家庭環境は、どのように作られていくかです。
家族システム論を体系化させたボーエンによると、家族は、3世代間で一つの組織であるということが基本にあります。
子供に対して最も重要なのは、親との関係、その親はその親との関係にが影響します。
親とは、当然両親のことです。
私の父親の家庭を「父親の原家族」、母親の家庭を「母親の原家族」と称し、双方の原家族が私に影響を及ぼすという理論です。
両親の心理が、私の家庭環境として現象化されるということです。
視点を変えれば、私の親子関係が、私の子供との関係に影響をするということになります。
『ファミリー・シークレット―傷ついた魂のための家族学』青山出版社 (1995/09)
に掲載された内容は、その典型的な例ともいえます。
家族の時代間の集合体が家系です。
連綿と受け継がれる心理的影響とみることができます。
家系学は、決して仏教的因縁話ではないのです。
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家系学からみる未婚のシングルマザー(10年で約2倍に急増)
総務省の調査
2010年は約108万人。
死別:0.8割 離婚:8割 未婚:1.2割 (13万2000人)
未婚のシングルマザー数:前回05年の約1.5倍、00年の約2倍
日本でもシングルマザーを一つの生き方として社会が容認するようになってきています。
そのため当然ですが、婚外子差別をなくせという声が強くなってきているようです。
そうなると、婚姻制度によって安定的に保たれてきた家族の基盤はなし崩し的に壊れていくことは間違いようです。
そこで、心理学の観点からにてシングルマザーが増えると子供の教育にどのような影響が及ぼすのかを真剣に議論する必要が出てきます。
少子化問題を解決する為に、フランスの様に、ただ子供を産み安い環境、法制度を整備するだけで本当に良いのか?
重要なのは、育てる環境であることは、家系学からみても間違いありません。
育てる環境で、最も重要なのは『家庭環境』です。
これは、右でも左でも、与党でも野党でも、伝統的でも革新的でも関係がありません。
人として普遍的に考えなければならないことです。
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